3月30日のフォーミュラE東京E-Prixが無事幕を閉じた。レースとしては勝者のマキシミリアン・ギュンターと日産チームのオリバー・ローランドが最終周まで白熱のバトルを見せ、観客動員でも2万人を集める大成功だった。 「市街…
カテゴリー: コラム
F1の歴史やチーム、ドライバーに関する考察記事です
「30年に一度の衝撃」となった、ハミルトンのフェラーリ移籍
『そんなことは絶対ありえない』 という言葉は、F1では通用しない——。これが私の持論である。 当時の社長が「再参戦はない」と言い切って撤退したホンダのF1活動が、わずか1年半であっさり再参戦へ覆り、「絶対にF1の人気獲得…
98年鈴鹿観戦記 ①予選編「ミカ・シュー、異次元のタイムバトル」
11月1日、日曜日の夜の鈴鹿。未だレースの興奮が覚めやらぬグランドスタンド。 スタンド最前部の金網前でグランプリの余韻に浸っていたとき、僕のところへ1人の男が近付いてきた。 赤いトレーナーにジーンズ、トレードマークの赤い…
もし、アップルがF1中継に参入したら
米アップルのF1中継参入の憶測が、「Business F1」誌で報じられた。記事によるとアップルは年間約3000億円でストリーミング中継権を獲得し、米国ではESPNとの契約が切れる26年から、全世界では各国の契約が切れる…
「はっちゃけたセナ」が垣間見えた、テレビでのカート対決
前回の記事でアイルトン・セナを取り上げ、セナの特別性は「神の奇跡のようなシーンを自分で造ってしまうこと」と書いた。しかし、セナが多くの人を惹きつけるのはシリアスな面だけではなく、まれに子どもっぽく「はっちゃける」面もある…
交錯するモンツァの記憶と、「第2のセナ」への想いを馳せて
イタリアGPの観戦記で、『フェルスタッペンの6周目1コーナーの接触回避に、彼のこの2年間の成熟をみた』と書いた。その記事を読み返したとき、2021年のクラッシュに加えて、モンツァの1コーナーにはもう1つの記憶があると気づ…
アイルトン・セナの略歴
最速を求める姿勢と端正なルックスから、「F1史上で最もファンを魅了した」と評されるレーシングドライバー。1988、90、91年に計3度のワールドチャンピオンに輝いたものの、レース中の事故により34歳の若さで世を去った。 …
「学べる期間」が短すぎたルクレールの悲劇
フェラーリ5年目となるルクレールが苦闘している。私は、ルクレールにとって不幸なのは『学べる環境』に身を置くのが短すぎたことだ、と考えている。 ◇ ◇ (この記事は「X(Twitter)」での「F1を分析するア…
まさに「2002年型」となった23シーズン前半戦
2023年F1前半戦の振り返りだが、開幕戦で感じた印象がすべてだった、という気がする。ペレスも奮闘したが、マイアミの逆転負けをきっかけに潰れてしまった。 1つの要因ではレッドブルの強さを説明できず、明確な2番手チームがな…
角田、ドライバーの幅を広げるチャンスに——リカルド加入、デ・フリース更迭に思う
デ・フリースが開幕から10レースを終えたところで、アルファタウリから解雇。次戦ハンガリー以降はレッドブルのサードドライバーを務めていたリカルドが乗ることが決まった。 Twitterで散発的に書いてきた、今回のドライバー人…
ホンダの26年「F1継続」と、アストンマーティン提携に寄せて
ホンダは5月24日、2026年にF1へ参戦し、アストンマーティンにワークス待遇でパワーユニットを供給すると発表した。 報道では「F1復帰」と表記されることが多いが、現在の「レッドブル・ホンダRBPT」の活躍を鑑み、私の記…
早くも「ワンチーム」になったアロンソとアストンマーチン
開幕戦で最大の衝撃はアロンソの3位表彰台だった。上位が潰れたタナボタではなく、メルセデス勢2台とサインツをコース上で豪快にオーバーテイクしたうえでのポディウム登壇で、第2戦以降の表彰台も十分に期待できるレース内容だった。…
際立つレッドブルの交渉力と、居場所を失ったホンダの未来
「レッドブル、フォードと提携」——。2026年パワーユニット(PU)規定での衝撃的なレッドブルの新パートナー発表から1週間が過ぎた。私は直前までホンダとレッドブルのパートナー継続を確信していたが、あっさり裏切られた。今回…
「偉大な挑戦者」 ベッテルの引退レースに、幸あれ。
ついにベッテルが引退レースを迎える。「偉大な挑戦者」として戦い続けたベッテルにふさわしい舞台となるよう、心から願っている。 最強メルセデスと戦った「挑戦者」ベッテル 私にとってのベッテルは、4冠を達成したレッドブル時代よ…
サーキットにいた「もうひとりの王者」――アップルのクック氏
(※本稿はアメリカGP観戦記「格の違いを見せつけた王者たち」の後半部分です) F1アメリカGPには、優勝したフェルスタッペンらF1王者4人のほかに、もう1人意外な「王者」の姿があった。 アップルのティム・クック氏。iPh…
ポルシェとアウディの動向は?
ポルシェは2026年のパワーユニット(PU)新規定に合わせたF1参入に向け、ウィリアムズと交渉を始めた模様だ。同じフォルクスワーゲン(VW)グループのアウディも、F1参戦の詳細を日本時間の本日(10月26日)17時に明ら…
ずぶぬれでレース再開を待った2時間と、舞台裏での重機問題——日本GP現地レポ②
10月7~9日の日本GPを現地で観戦した。またも論評っぽくなってしまうが、観戦記第2弾は2時間に及ぶ赤旗中断と、コース上の作業用重機が危険を招いた問題について考えたい。 私の結論を先に述べれば、「重機が入ることへのドライ…
またもレースディレクターが水を差したフェルスタッペン戴冠劇——日本GP現地レポ①
10月7~9日の日本GPを5年ぶりに現地で観戦した。金・土・日と天候がすべて異なり、特に日曜は雨のなかの赤旗中断で2時間以上も待たされる試練の1日だったが、最後にフェルスタッペンの戴冠劇が待っていた。 鈴鹿の週末をテーマ…
「HONDA」ロゴ復活!——レッドブル系4台に日本GP以降の全戦で
ホンダは10月5日夕方、日本GPを含む今シーズン残り全戦でレッドブルとアルファタウリのマシンに「HONDA」のロゴを掲載すると発表した。 鈴鹿限定かと思ったら、年内いっぱいということに驚いた。うれしいけど、21年末の「F…
来る者と去る者の交差点:③PU編(前編)——影の主役のホンダ、鈴鹿の週末に動きは?
サマーブレイク以降の数々の発表を『来たる者と去り行く者』に焦点を当てて振り返る。第3回はパワーユニット(PU)編。F1は100%再生燃料によるハイブリッドV6ターボの新規定を2026年に導入することを決定し、規格策定に関…