日本代表の中部電力が、新型コロナウイルスの影響で大会を棄権した。25日午前(日本時間26日午前1時)のスイス戦を前に、日本協会は中嶋星奈と松村千秋、スタッフ1人の計3人に新型コロナウイルスの陽性判定が出たことを発表。試合には陽性が確認されていない3選手で臨み、3-11で大敗した。その後、さらなる体調不良者が生じたことで、1次リーグ突破の可能性を残していた最終戦の韓国戦を戦うことなく大会を終えた。
出典:日刊スポーツ
最後までトーナメントを戦わせてあげたかった、というのが正直な感想だ。
感染対策の不備を指摘する向きもあるだろうし、「メンバーでコロナ感染者が出た以上はスイス戦の段階で棄権すべきでは」との声もあるかもしれないが、世界選手権の場で最強チームと万全の状態で対戦できないのはもったいなかった。北京銀メダリストのロコ・ソラーレと違い、中部電力所属の彼女たちは国際舞台の経験が少ないからだ。
スイスのフォースのアリナ・ペーツが第3エンドで5点をもぎ取った1投目、2投目のミラクルショットは素晴らしかった。しかし、日本が5人フルメンバーで対戦できていたなら、その後の展開は違ったものになったかもしれない。 なにしろ、この試合はたった3人で強豪スイスに立ち向かっていったのだ。
北京五輪の一次リーグ最終戦で同様にペーツのスーパーショットを前に泣きべそをかきながら敗北し、たった一晩で別物のチームになって同じスイスを破って決勝に進んだロコ・ソラーレの例もある。もし中部電力の5人が五体満足なら同日午後の最終戦の韓国戦でどんな立ち直りをしたか見てみたい気がした。
これで日本代表の中部電力は6勝6敗で1次リーグ7位となった。
リーグ戦1位は12戦全勝のスイス。北京五輪では準決勝と3位決定戦でらしくない戦いが目立ったが、ペーツのショットも、スキップのティリンツォーニの判断も的確だった。やはりスイスは強かった。